加速度ピックアップ

振動に比例する力を発生するマス-バネ系を内蔵する加速度ピックアップは、研究や産業の幅広い用途に使用されています。ブリュエル・ケアー製品にはチャージ型と ICP©, DeltaTron™を使用するCCLDセンサーがあります。また、TEDSテクノロジーは容易なセットアップと一貫した測定を可能にします。1軸と3軸があり、幅広い用途に使用できます。製品の種類や仕様に関しては、当社にご連絡いただくか、本ページをご覧ください。

加速度センサ仕様
Accelerometer Types

コンテンツ

1.加速度ピックアップとは?
2.3軸加速度ピックアップ
3.
シグナルコンディショナ / プリアンプ
4.加速度ピックアップの選択
5.加速度ピックアップの仕様

加速度ピックアップとは?

加速度ピックアップは電気機械トランスデューサの一種で、それが受ける加独度に比例した電気信号を出力します。出力信号は電子的に処理され、メーターやその他の抵当な指示器で読み取ります。

当社の加速度ピックアップに内蔵する能動素子は圧電素子のディスクまたはスライスで、サイズミックマスにより負荷が与えられ、留め金で保持されています。

圧電素子は加えられた力に比例する電荷を出力します。加速度ピックアップが振動を付けると、サイズミックマスは合わせて留められている圧電素子に力を及ぼします。

さまざまな構造の加速度ピックアップとその構成要素:

加速度ピックアップの設計

 

加速度ピックアップ用プリアンプ

プリアンプを内蔵するデルタトロン型を除き、ブリュエル・ケアーのチャージ型加速度ピックアップの出力はプリアンプを介する必要があります。

そのプリアンプとしてチャージアンプの使用をお奨めします。ブリュエル・ケアーは幅広い種類の高性能プリアンプをご用意しています。  チャージアンプを使用することにより、加速度ピックアップとプリアンプの組み合わせで決定される感度を変えることなく、非常に長いケーブルを使って接続することが可能です。

校正および測定が容易に行えることは、総合的なゲインと周波数範囲と同様に常に重要です。ほとんどのブリュエル・ケアーのプリアンプは、下記のシグナルコンディショニング機能を備えます。:

  • 感度調整回路網プリアンプにトランスデューサの感度をプリアンプに直接入力することができる一方で、システムの感度を統一します。
  • 積分回路網測定した加速度信号を速度または変位に比例する信号に変換します。
  • ハイパス、ローパス フィルタプリアンプから出力する信号の周波数の下限と上限を設定し、測定から不要な信号成分および加速度ピックアップの共振の影響を取り除きます。

1軸、3軸加速度ピックアップ

3軸加速度ピックアップは、互いに垂直な三つの方向(軸)の振動を同時に測定するときに使用します。通常、3軸ピックアップによる測定は1軸ピックアップによる測定よりも、より多くの情報をもたらします。

加速度ピックアップの構造図
一般的に三軸加速度ピックアップは、ひとつの筐体に三つの加速度ピックアップが90°ずつ方向を変えて収められています。しかしながら、この方法では加速度ピックアップの寸法が大きくなり、それぞれの軸が異なる参照点をとる問題があります。


ブリュエル・ケアーの3軸ピックアップは、ひとつのサイズミックマスとピエゾ素子で組み立てられています。この設計により、サイズが小型化され、すべての軸が共通の参照点をとります。また、複雑な振動現象に対しても正確で一貫した測定が可能です。

加速度ピックアップの選択

最良の測定結果を得るために、加速度ピックアップを選択する際に知っておくべきいくつかの仕様があります。


仕様

> ユニゲイン(Uni-Gain)と"V"タイプ
> 感度
> 周波数応答
> ダイナミックレンジ
> 校正

ユニゲイン(Uni-Gain)と"V"タイプ

ユニゲインと“V”タイプの二種類があります:

"V"タイプ: ユニゲインでないものは、型番の末尾に“V”が付きます。これら二種類の違いは、“V”タイプの校正チャートに記載されている仕様のうち、感度以外はすべて代表値である点です。

反対に、ユニゲインタイプの感度およびその他のパラメータは、厳格な許容値の範囲に保証されており、再校正の必要なく交換が可能です。

ユニゲインの感度:その名称が示すように、加速度ピックアップの感度は、1, 3.16, 10 pC/ms-2(10 dBステップ) の便利な値に設定され、2%の範囲に調整されています。


チャージ感度、電圧感度

圧電型加速度ピックアップは、電荷源あるいは電圧源とみなすことができます。センサーの感度は、それが受ける振動に対する出力の比と定義できます。これは単位加速度あたりの電荷(pC/ms-2)、または単位加速度あたりの電圧(mV/ms-2)で表されます。

圧電型加速度ピックアップの等価回路プリアンプを内蔵しない加速度ピックアップの等価回路図

個々の加速度ピックアップの校正チャートに記載されている感度は、周波数159.2 Hz、20 ms-2RMSの加速度を与えた測定値です。工場校正の精度は、99.9%の信頼度において ± 2% です。これには加速度ピックアップに付属するケーブルの影響も含みます。 

横方向感度

加速度ピックアップはその感度軸に垂直な方向の加速度に対してもわずかな感度を持ちます。横方向感度は工場での校正時に30 Hz、100ms-2の振動を与えて測定されます。値は主軸感度に対するパーセンテージで示されます。

加速度ピックアップの横方向感度加速度ピックアップの主軸方向と横方向の相対的な応答


周波数応答とその周波数範囲

仕様に記載されている上限周波数は、取付共振周波数の30%および22%が計算されます。これらは誤差がそれぞれ10%および5%未満となる周波数です。これらの計算値は加速度ピックアップが測定対象物に適切に取り付けられている場合を仮定しています。取付が不適切な場合、共振周波数に大きな影響が出ます。

加速度ピックアップの低周波数における応答は、主に使用するプリアンプの種類に依存します。

横方向共振周波数:横方向感度の代表値は、スチールまたはベリリウムのキューブの横に加速度ピックアップを取り付け、振動校正器4294型を使用して測定されます。

位相応答と減衰:  ブリュエル・ケアーの加速度ピックアップは減衰が低く、周波数応答は単一のはっきりとした共振ピークを示します。そのため、上限周波数において平坦は位相特性を示します。

加速度ピックアップの感度加速度ピックアップの全方向の横方向感度(最大横方向感度が既知の場合)


ダイナミックレンジ:上限と下限

ダイナミックレンジは、加速度ピックアップのベースに与えられた加速度と出力電圧が比例する範囲です。

上限:  一般的に、加速度ピックアップの大きさが小さい程、より高い振動レベルでの使用が可能です。上限は振動の種類に依存し、圧電素子にかけられるプリストレスや素子の機械的な強度により決定されます。

プリアンプを内蔵する加速度ピックアップの場合、衝撃の最大および連続振動の限界値は、仕様に記載されている測定範囲で規定されます。衝撃の最大および連続振動の限界は、あらゆる方向の振動の、取付共振周波数の1/3を上限とする周波数範囲の値です。

短時間の過渡信号の測定には、高周波数における加速度ピックアップの共振によるリンギングを避けるために注意が必要です。経験則として、半波正弦波衝撃パルスの場合、振幅誤差を5%未満に抑えるには、パルス幅を10/ /f/R より長くします。ここで、/f/R は加速度ピックアップの取付共振周波数です。

下限: 理論的には、圧電型加速度ピックアップの出力は、そのサイズミックマスが発する熱雑音まで線形ですが、実際は測定システムが持つノイズおよび測定環境による影響により下限が決まります。


校正および安定性

ブリュエル・ケアーの加速度ピックアップは、製造のすべての段階において検査と確認が行われます。加速度ピックアップは多岐にわたる校正プロセスを経て、人工的にエイジングされます。これにより期待される性能と安定した動作を実現します。

ブリュエル・ケアーの圧電型加速度ピックアップは、back-to-back比較法で校正されます。その校正にはDPLA(Danish Primary Laboratory of Acoustics)で校正された一次標準基準加速度ピックアップが使用され、NIST(American National Institute of Science and Technology)およびPTB(German Physikalisch–Technische Bundesanstalt)にトレーサブルです。

back-to-back比較法の全体精度は、信頼度99.9%で2%(信頼度99%で1.6%です。一方、干渉法の精度は信頼度99%で± 0.6%以下に向上します。

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