Acoustic camera at Wave Engineering

アコースティックカメラが、米ウエイブエンジニアリング社で大活躍

音響・振動関連のコンサルティング専門のウエイブエンジニアリング社の音響測定ツールボックスに最先端の BK Connect® Acoustic Camera (BK CONNECT アコースティックカメラ)が導入されました。すでに、産業施設において、通常の騒音源と問題のある騒音源を区別するツールとして使用されています。また、モジュラーウォールシステムからの音漏れを発見し、騒音防止の調査で活用されています。

コロラド州リトルトンに本社を置く、ウエイブエンジニアリング社は、音響、騒音、振動を専門とする独立系コンサルティング会社です。2012年に Jeff Kwolkoski によって設立された同社のクライアントには、建築家、請負業者、エンジニア、企業、学区、開発者、政府機関、および音響、騒音、振動制御の問題について支援を必要とする個人が含まれています。

ウエイブエンジニアリング社の騒音の専門家も述べているように、コンサルタントの仕事は大変やりがいのある仕事です。同社は、LEED(Leadership in Energy and Environmental Design)、ANSI、ASTM、およびISOの音響規格の評価と解釈から、音声プライバシーのための電気音響マスキングシステムの評価と設計、専門家による検証と法医学工学サービスの提供まで、様々なプロジェクトを担当しています。

チームに加わった最新装置ウエイブエンジニアリング社の騒音の専門家は最近、Brüel & Kjærアコースティックカメラを使用し始めました。これは、実際の現場で過渡的な音源を探索・表示する携帯式装置で、狙いを定めてリアルタイムに確認し測定するという手順で操作します。

ウエイブエンジニアリングの社長兼シニア音響エンジニアである Jeff Kwolkoski 氏は次のように述べています。「このカメラを使用すると、音の放射や漏れを実際に見ることができます。この装置は航空宇宙および自動車用のノイズアプリケーション向けに設計されていましたが、当社は産業、環境、製造、建築、その他の革新的なノイズアプリケーションに使用しています。」

マイク30個、高性能信号処理、および多数の騒音源の中で最も大きな騒音源を特定するソフトウェアを備えたアコースティックカメラを使用して、ウエイブエンジニアリングの技術者は、壁、ドア、および床からの音漏れを特定し、騒音の低減策を実施します。また、装置や機械からの過渡的騒音や断続的騒音の発生源を特定し、大きな装置のどの部分が過剰な騒音の原因になっているかを特定するためにも使用されます。それにより騒音の低減が必要なところにのみ騒音対策をすることが可能になります。

騒音の発生源を特定Jeff Kwolkoski 氏は、最近のプロジェクトについて次のように説明しています。「近隣の住民から騒音に関する苦情を受けている工場からの問い合わせを受けました。騒音の発生源が多数あり、近隣の住宅に騒音被害を起こしていました。この工場の騒音に関するコンピュータベースのモデルを作成して、どの騒音源が最も大きいかを予測することができました。」

しかし、多くの騒音源の構成は複雑で、コンプレッサ、モータ、配管、バルブなどの複数の要因が含まれていました。ジェフは続けて、「そこで、アコースティックカメラを導入しました。最初に、このカメラを使用して、工場の各設備のなかで最も大きな騒音の発生源になっている設備を確認しました。」さらに、アコースティックカメラを使用して、各設備内の騒音源を絞り込みました。「アコースティックカメラが無かったら、騒音が十分に低減されるように、複数の騒音源を防音処理する必要がありました。しかし、このカメラにより設備内のどの部分で騒音低減をすべきか特定できるたため、防音の費用を削減できました。」

事務所でのスピーチプライバシーさらに、このアコースティックカメラは、複数の事務所が入居する新築ビルにおいて、事務所間の遮音が十分でなく、隣の事務所の会話が聞こえてしまう問題を調査するために、ウエイブエンジニアリングが呼ばれたときに活躍しました。入居者から、隣接する事務所、会議室、廊下からの会話が聞こえ、その内容を聞き取れるほどであるとの苦情が寄せられました。しかし、事務所間の仕切り壁は、デザインが同一であったにもかかわらず、一部の仕切り壁で問題が発生していました。

事務所を分割する仕切り壁は、従来の乾式壁とモジュラー壁の組み合わせで施工されていました。乾式壁は上階の床デッキまで拡張・接続されていますが、モジュラー壁は吊り下げ式フレームにはめ込まれたレイイン天井までしか拡張されていませんでした。苦情の大半は、このモジュラー構造のオフィスからのものでした。

ジェフによると、「当社の最初の仕事は壁が本来の機能を果たしているか判断することでした。ノイズ・アイソレーション・クラス(NIC)は、スピーカーから発せられたピンクノイズをサウンド・レベル・メーターで測定することで算出されました。全体的に見て、部屋は期待通りの性能を維持しているようでした。」それでも、ウエイブエンジニアリング社は事務所間の遮音性を改善する方法を開発する必要がありました。「最初に、苦情の原因となった最も強い騒音の経路が、モジュラー壁システムの中または周辺のどこにあるかを知りたいと思っていました。アコースティックカメラは、音漏れの箇所を特定するのに完璧なツールでした。」とジェフ氏は述べています。

アコースティックカメラは、ビデオ画像をリアルタイムで表示したり、静止画像やビデオ画像のデータを保存して後で分析したりできるため、従来のサウンドレベルメーターを使用したり、耳で識別したりするよりも、技術者が騒音源を簡単に特定できます。「外壁とグレイジングがモジュラー壁と接続する部分から音が漏れていると考えました。」とジェフは言います。「接続部はしっかり密閉されているように見えましたが、アコースティックカメラは、接続部分が壁本体よりも明らかに音が通りやすくなっていることを示していました。」

外板ガラス部の壁

壁の交差部

ドアシール

ホットスポットが見つかりました:この場合はコンセントです

“外壁とグレイジングのモジュラー壁との接合部から音が出ていると考えました。」”
ウエイブエンジニアリング社社長兼音響エンジニア、 JeffEFF KWOLKOSKI 氏 

事務所のモジュラー壁には、音を遮断することを目的としたシールがありましたが、壁が交差する場所では不完全でした。ウエイブエンジニアリングは、壁の製造元および施工業者と協力して、この問題の解決策を特定します。ウォールシステムには、しっかり密閉しにくいスライディングドアも含まれていました。アコースティックカメラの画像は、オフィスのドアが床と天井に接する場所で、強力な音漏れが起きていることを可視化していました。

最後に、電源コンセント部分でも明らかな音漏れががあり、調査するとコンセントユニットにカバープレートがついていないことを発見しました。

これらの点に関し、問題解決の方法を提示することで、クライアントが十分満足したので、この徹底的な調査を終了できました。ジェフによると、「これらの事例は、改善すべき箇所を識別するのに、アコースティックカメラはが大きな役割を果たすことを示めしました。問題点を可視化するイメージ画像は、クライアントに取ってわかりやすいので、非常に効果的なツールです。これは、クライアントと緊密に連携し、実用的なソリューションを提供した、非常に素晴らしい実例となりました。」

 

 

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