内容
自動車、造船、建築分野等で使用される制振材料(粘弾性材料)は、現在も、特性試験や評価・解析・応用研究が行われています。粘弾性材料は温度、周波数によりその特性が大幅に変化するので試験及び解析が難しく、測定・解析結果に誤差を含みます。そこで、測定・利用応用ノウハウも含めて JIS K7391制振複合はりの動特性(損失係数、縦弾性係数、損失弾性率)の試験方法と動的粘弾性測定装置による試験結果について解説します。試験結果から,はりの基礎方程式を用いて制振材料の動特性を計算する方法を解説します.この時、試験による動特性測定誤差と計算による動特性計算誤差の関係を示します。なお、はりの運動方程式の導出方法と振動モードの計算方法も示しています。また、動特性の表示法として換算周波数ノモグラムの作成・整理方法を解説し、材料特性をデータベース化する方法を紹介します。この換算周波数ノモグラムの応用として、複合材料の損失係数、縦弾性係数や曲げ剛性を予測する方法を解説します。また、有限要素法を使用して構造解析を行う場合、換算周波数ノモグラムから一般化マクスウェルモデルで換算周波数ノモグラムの損失係数と損失弾性率を同定し、この係数を入力することにより周波数応答特性を求めることができます。今回は,構造減衰について追記しました。なお,講座テキストでは提示した数式の導出方法がわかるように導出過程も丁寧に示しています。
本講座では、粘弾性材料の動特性試験法から評価法、解析方法までの振動解析の一連の統合化プロセスについて解説します。
詳細
- 粘弾性材料の減衰メカニズムと制振性能 (52 頁)
- 構造物の(応力と歪)と(力と変位)の関係
- 構造減衰について
- 粘弾性材料の動特性試験方法 (109 頁)
- はり試験方法(JIS K7391)の解説とノウハウ
試験方法,試験片,周波数応答関数,試験結果,測定誤差要因 - 動的粘弾性測定装置による試験方法の解説とノウハウ
試験方法,試験片,試験結果,測定誤差要因 - はり試験と動的粘弾性測定装置試験結果の比較・検討
- FFT アナライザを用いてはり試験法を行う場合の窓関数の設定について
- はり試験方法(JIS K7391)の解説とノウハウ
- 粘弾性材料の評価方法 (86 頁)
- はりの基礎方程式の導出
- はりの運動方程式の導出と振動モードの計算
- 換算周波数ノモグラムの作成方法
- はり試験法の測定結果から計算により損失係数および縦弾性係数を計算するときの測定誤差と計算誤差の関係
- 換算周波数ノモグラム作成時の温度・周波数換算則が成り立つ温度範囲
- 換算周波数ノモグラムを用いた複合材料の制振性能の予測 (35 頁)
- 2層形複合材料及び 層形複合材料の損失係数および縦弾性係数の予測
- 3層形複合材料(制振鋼板,樹脂拘束,樹脂 3 層)の損失係数および縦弾性係数の予測
- 粘弾性動特性の有限要素法への展開方法の解説 (12 頁)
- 換算周波数ノモグラムからの減衰係数比の周波数特性の算出
- 換算周波数ノモグラムの損失係数および損失弾性率の prony 級数による同定
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