Measurement microphones

計測用マイクロホン

ブリュエル・ケアーの計測用マイクロホンは最高品質の精密機器です。マイクロホンのデザイン自体は非常にシンプルに見えるかもしれませんが、その製造には感度と安定性を維持するために最大限の注意とコントロールが必要です。当社の先駆的な経験、厳格なテスト、品質管理により、他の製品が比較の基準とする計測用マイクロホンをご提供します。

最適なマイクロホンを選ぶ
Type 2699 Microphone preamplifier


目次

1.マイクロホンの仕様
2. 規格
3.ダイナミックレンジ
4.磁場
5.温度の影響


適切なマイクロホンの選択

多くの種類の中から実施する測定に適切なマイクロホンを選択することは、労力を要する作業かも知れません。

最初に、コンデンサマイクロホンには、外部偏極型と偏極型の二種類があります。 また、異なるサイズがあります。1インチ、1/2インチ、1/4インチ、1/8インチのサイズがあり、自由音場、音圧音場、拡散音場のいずれかに最適化されています。これらの分類に属さないマイクロホンは、“特殊マイクロホン”となります。 

下表のすべての箇所に該当する製品が対応するわけではありません。例えば、1インチマイクロホンは外部偏極型のみです。これは、それらの製品が十分に安定した偏極型マイクロホンが製造されるようになる前の製品であるためです。

1/8インチマイクロホンは音圧音場型です。サイズが小さいため、自由音場と音圧音場での周波数応答は、かなり高い周波数までほぼ同じ特性になります。(例えば、自由音場補正は、15 kHzにおいて1 dB 未満です。)

当社の計測用マイクロホンは下表に整理されます:  

マイクロホンの種類 1/8インチ 1/4インチ 1/2インチ 1インチ 偏極
4190型 自由音場型マイクロホン 自由音場型
4954 4940
4176
4188
4189
4950
4966

偏極型
4939 4190
4191
4145 外部偏極型
4192型 音圧音場型マイクロホン 音圧音場型
4944 4947
4948
4949
4953
4971

偏極型
4138 4938
4941
4192 4144 外部偏極型
4192型 拡散音場型マイクロホン 拡散音場型

4942
偏極型


4943
外部偏極型

特殊マイクロホン
4957
4958
4948
4949

偏極型

4941 4180
4193
4955
4160
4179
外部偏極型

マイクロホンの用途と仕様


入力モジュールの種類は - 従来型かCCLD型か?

CCLD型(DeltaTron、IEPEとも呼ばれる)は、偏極型マイクロホンのみを使用できますが、従来型の入力は偏極型と外部偏極型の両方を使用することができます。サウンドレベルメータ(騒音計)などのポータブル機器や、湿度の高い環境で使用する場合は、偏極型マイクロホンが適しています。実験室などの一般的な環境や高温下での測定には、外部偏極型マイクロホンが適しています。

CCLD型と従来型の入力の違いについては、マイクロホンプリアンプのページをご覧ください。

マイクロホンがある規格を満たす必要があるか?

もしそうであるならば、このページの下のマイクロホン関連規格をご覧ください。

周波数範囲と最大音圧レベル(SPL)は、一般的にマイクロホンのサイズによって決まります。一般的に、より小さなマイクロホンはより広い周波数範囲を持ち、より低感度です。詳細はページ下の測定上限とダイナミックレンジをご覧ください。

どの音場に最適化されたマイクロホンを使用するべきか?

例えば屋外のように反射面から離れた場所での測定、あるいは音響的に減衰の大きい室内環境においては、自由音場型マイクロホンが最適です。しかし、小さなカプラや硬い表面の近傍における測定では音圧音場型マイクロホンが最も適します。

残響のある閉空間における測定には、拡散音場型(ランダム入射)マイクロホンが最適です。場合によって、音圧音場型マイクロホンも十分に平坦なランダム入射応答を示します。

これは、音圧音場型マイクロホンのランダム入射応答が、自由音場型マイクロホンに比べてはるかに平坦であるためです。

特殊マイクロホン

表面音圧の測定という特殊なケースでは、サーフェースマイクロホンが最適な選択です。一般的でない用途には特殊マイクロホンが使用できます。

例えば、研究機関での標準マイクロホン、屋外用マイクロホン、アレイマイクロホン、超低周波数マイクロホンなどがあります。

マイクロホン関連規格

校正機関用標準マイクロホンは、国際規格 IEC 61094–1:2000 に規定されています。

計測用マイクロホンは、国際規格 IEC 61094–4:1995 に規定されています。

これらの規格では略語が使用されており、WS(Working Standadards)は日常の計測に使用される計測用マイクロホンのための実用規格を、LS(Laboratory Standards)は校正機関用標準を表します。

“WS” の後につづく数字は、下記を表します:

  • 1 = 1インチ マイクロホン
  • 2 = 1/2インチ マイクロホン
  • 3 = 1/4インチ マイクロホン

“F”は自由音場型、“P”は音圧音場型を表します。

電気音響規格

最も電気音響に関連性の高い規格は、IEC 61672:2002 “Electroacoustics -Sound Level Meters”です。

IEC 61672 に準拠するべきあらゆる測定システムにおいて、マイクロホンは重要な要素ですが、それ以外にも多くの要素を検討しなくてはいけません。そうとは言いながらも、右の表は、IEC 61672 要求事項を満足するシステムにおいて、どのマイクロホンが適合するか示しています。

その他、位相特性、圧力調整ベント、環境暴露、ドキュメンテーションなども検討の必要があります。

IEC 61094 IEC 61672 ANSI
A  IEC 61094 – 4 WS1F I  IEC 61672 Class 1 ANSI S1.4 Type 1
B  IEC 61094 – 4 WS2F J  IEC 61672 Class 2 L  ANSI S1.4 Type 2
C  IEC 61094 – 4 WS3F
M  ANSI S1.12 Type M
D  IEC 61094 – 4 WS1P
E  IEC 61094 – 4 WS2P
F  IEC 61094 – 4 WS3P
G  IEC 61094 –1 LS1P
H  IEC 61094 –1 LS2P

測定上限とダイナミックレンジ

自己ノイズたとえマイクロホンが“完全無音”の部屋に設置されていたとしても、マイクロホンのバックプレートとダイアフラムにはいくらかのブラウン運動が認められます。これは微小な圧力変動に相当し、偏極電圧がかかっている場合にはカートリッジ容量の変化を引き起こし、結果としてマイクロホンから電圧が出力されます。

この出力電圧に相当する音圧レベルは、マイクロホンカートリッジの自己ノイズとして定義されます。

3% ひずみ限界コンデンサマイクロホンは極めて線形ですが、任意の圧力において出力信号にある程度のひずみが生じます。当社では正確な測定のための推奨できる上限として、3% ひずみ限界を使用として定めています。

10% ひずみ限界3% ひずみ限界よりさらに音圧が高くなると、ひずみもさらに増加します。場合によっては、10% ひずみ限界を仕様として定めています。ほとんどの場合、10% ひずみ限界は、プリアンプによって決定されます。

最大音圧レベル:カートリッジに働く機械的な力によって、最大圧力レベルが決められています。それは長期安定性に影響を与え、機械的損傷を引き起こす、決して越えてはならない限界です。これに相当する音圧レベルは、最大音圧レベルと呼ばれます。

マイクロホン/プリアンプ一体でのダイナミックレンジ実際の使用において、ダイナミックレンジの下限は、カートリッジとプリアンプからの複合ノイズによって決定されます。音圧レベルの上限は、多くの場合、プリアンプからの出力電圧振幅によって決定されます。CCLD(IEPE)プリアンプを使用する場合は、最大電圧が入力段のコンプライアンス(開放回路)電圧によって制限されるので特に重要です。

当社のLAN-XIフロントエンドをはじめとする多くのフロントエンドで用いられているおよそ28 Vのコンプライアンス電圧は、最大電圧振幅をおよそ20 Vpp に制限します。これにより、カートリッジプリアンプの組み合わせの実際の上限が決まります。

当社では、ダイナミックレンジの下限をカートリッジとプリアンプの組み合わせによる自己ノイズ(dB(A))、上限を3% ひずみ限界におけるとし、また関連する公称コンプライアンス電圧を定めています。

 

マイクロホンカートリッジ感度に対する測定可能な最大音圧レベル
(出力電圧 14 V ppのCCLDプリアンプ使用時)
最大SPL dB 50 mV/Pa 12.5 mV/Pa 3.16 mV/Pa 1 mV/Pa
138 OK OK OK OK
150
OK OK OK
162

OK OK
172


OK

注:従来型入力に120 Vを供給する場合、最大SPLは約12 dB高くなります。

磁場における測定

ハイブリッドカーや電気自動車、風力発電用タービンのやMRIの近くなど、磁場における測定には、当社の最新のチタン製マイクロホンが有用です。

チタンはマイクロホンに一般的に使用されている金属材料よりも磁場の影響を受けにくい特徴があります。磁場の影響はノイズとして現れ、マイクロホンのノイズフロアを上昇させます。例えば:

  • 4958 型 1/4 インチ アレイマイクロホンが受ける磁場の影響は、80 A/m, 50 Hz の磁界に対して40 dB SPL に相当します。
  • 4189 型 1/2 インチ 自由音場型マイクロホンが受ける磁場の影響は、80 A/m, 50 Hz の磁界に対して6 dB SPL に相当します。
  • 4955 型チタン製マイクロホンは、80 A/m, 50 Hz の磁界に対して検出鋳可能な影響を受けません。

温度の影響

温度と湿度はコンデンサマイクロホンの性能を悪化させる大きな脅威です。したがってプリプロダクションの段階でこれらに対する耐性が試験されます。通常、温度は -20から70℃、湿度は40℃において最高90%までの試験を行います。

高温下(80℃以上)では以下のことが発生します。

  • 電子部品の最高接合部温度を超える場合があります。このような状況は絶対に避けなければなりません。
  • 偏極電圧型マイクロホンは、そのエレクトレット電圧を喪失するおそれがあります。その結果恒久的に感度を失うことになります。高温下での試験を長時間実施する場合は、常に外部偏極型マイクロホンの使用が望まれます。
  • ダイアフラムの張力が低下します。その結果、感度が上昇し、周波数応答が変化します。
  • ケーブルの被膜やその他の絶縁物が融けるおそれがあります。この場合、見た目が悪くなるだけで、動作に支障がないこともあります。
  • 実際の多くの場合、自己電気ノイズが指数的に増加します。大まかに言って、温度に依存する要因の多くは、10 ℃毎にその値が2 倍になります(アレニウスの法則)。

マイクロホンは23 ℃における特性が規定されており、また、それが温度変化に対してどのように変化するかを示す温度係数が規定されています。このパラメータはマイクロホンの安定性と品質を表します。当社のデータシートには温度係数が記されています。

4189 型のような一般的なマイクロホンは、-30 から+ 150 ℃の範囲でその仕様を満足して使用することができます。 一般的なプリアンプは、80 ℃付近まで比較的安定したDC バイアスを示します。使用温度範囲は-20 から+ 60 ℃までで規定されていますが、多少ノイズが増えるものの+ 80 ℃まで使用することができます。

1706 型 高温プリアンプは125 ℃まで使用可能なように設計されています。高温下においても安定したDC バイアスを示し、最大音圧レベルの上限を損ないません。高温下における電気ノイズの増加は、マイクロホンとプリアンプのセットのダイナミックレンジの下限に影響を与え、非常に低い音圧レベルの測定を制限します。

マイクロホンケーブルについては、高温下の測定にはPUR ケーブルの使用は推奨しません。150 ℃まで使用できるシリコンケーブルか、-75 から+ 250 ℃まで使用できるPFA ケーブル(例えば、AO-0406AO-0406)の使用を検討してください。

 

非常に高温下(125 ℃)における測定

4182 型 プローブマイクロホンは狭小空間や、過酷な高温下(700 ℃まで)における音圧測定を可能にします。周波数特性は1 Hz から20 kHz まで平坦で、高周波数帯域では非常に滑らかなロールオフ特性を持ちます。

小型であるため、音源に相当近付けて使用することができます。また、高い空間分解能が要求される測定にも対応します。 

 

極低温下(-160 ℃)における測定

4944-W-005 型は-180 ℃まで使用可能なように設計されています。
極低温風洞などにおける使用に適します。

 

温度がマイクロホンに及ぼす影響

 

お問い合わせください

製品についての詳細は、下のリンクからお問い合わせください。