“MEASURING SOUND”
ハンドブック”
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音は日常生活の中であまりにも身近な存在であるため、その働きのすべてを理解することはほとんどありません。音楽を聴いたり、鳥のさえずりを聞いたりするのは楽しい体験ですし、音によって家族や友人との音声コミュニケーションが可能になります。その一方で、電話の呼び出し音やサイレンの音など、音は私たちに通知や警告を発することもできます。
音とは、人間の耳が感知できる、空気、水、その他媒体中の圧力変動と定義することがでます。空気の圧力変動を測定する最も身近な計測器としては、気圧計があります。
天候の変化に伴う気圧の変化は、人間の耳には感知できないほどゆっくりとしたものであり、私たちが音として定義しているものとは異なります。しかし、気圧の変化がもっと速く、少なくとも 1 秒間に 20 回以上の頻度であれば、それを聞くことができるので音と呼ばれます。
1 秒あたりの圧力変動の数は音の周波数と呼ばれ、単位はヘルツ(Hz)です。音の周波数は、その音の特徴的な音色を生み出します。例えば、雷の音は低い周波数で、口笛は高い周波数です。健康な若者の可聴域は、通常約 20 Hz から 20,000 Hz(または 20 kHz)です。ちなみにピアノの最低音から最高音までの範囲は 27.5 Hzから 4,186 Hz です。
音を表す第二の主な要素は、圧力変動の大きさ、つまり振幅です。
健聴者が感知できる最も小さな音の振幅は 2000 万分の 1 パスカル(20 μPa)、通常の大気圧の 50 億分の 1 以下です。そして驚くことに、耳はその 100 万倍以上の音圧にも耐えることができるのです。そのため、音を Pa そのままで表すと非常に大きな扱いにくい数値になってしまいます。これを避けるために、デシベル(dB)スケールが使用されます。
デシベルは絶対的な測定単位ではありません。測定した量と基準レベルの比です。
dB は対数で、聴覚しきい値の 20 μPa を基準として 0 dB と定義します。
Pa の音圧が 10 倍になると、dB レベルは 20 dB プラスとなります。つまり、200 μPa は 20 dB(re 20 μPa)、2000 μPa は 40 dB、のように計算されます。図は、身近にあるさまざまな音の音圧レベル(SPL)を dB と Pa で表したものです。
音とは、人間の耳で聞くことができるあらゆる圧力変動であることは既に述べたとおりです。つまり、健康な若者の耳には、20 Hz から 20 kHz までの周波数帯域が存在することになります。音圧レベルでは、0 dB の聴覚の閾値から 130 dB を超える痛みの閾値までが可聴範囲です。
6 dB の増加は音圧が 2 倍になることを意味しますが、主観的に音が 2 倍の大きさに聞こえるのは、約 10 dB の増加した時です。(ちなみに、私たちが知覚できる最小の音圧変化は通常約 3 dBです。)
音の主観的な、つまり知覚上の大きさは、いくつかの複雑な要因によって決定されます。その要因の 1 つとして、人間の耳がすべての周波数で等しく感度があるではないということが挙げられます。2 kHz ~ 5 kHz の周波数帯の音に最も感度が高く、高周波と低周波では低くなります。
もっと詳しく
耳の構造耳は、外耳、中耳、内耳の3つの主要な部分で構成されています。外耳は耳介と外耳道からなり、空気中の音波を収集し、中耳との境界である鼓膜を振動させます。
中耳はインピーダンス整合装置として機能し、3 つの耳小骨がレバーとして動作します。これらの骨は、バランスを制御するための半規管と蝸牛の 2 つのシステムからなる内耳に振動を伝達します。蝸牛は液体で満たされたカタツムリ状の管で、基底膜によって縦に 2 つに分けられています。
大きな音に長時間さらされると有毛細胞が傷つき、結果聴力が徐々に低下していきます。最初は数個の有毛細胞の損傷は目立ちませんが、有毛細胞の損傷が進むと、脳は情報の損失を補うことができなくなります。騒音にさらされると、通常耳の感度が最も高い周波数(4 kHz 前後)で聴力が低下します。
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